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2014
12.08

シアマリ

Category: 未分類


昔を思い出した。と言っても、多分3ヶ月かそこら。
けれどもそれはとても昔のように、遥か昔のように感じる。
マリアは読んでいた雑誌から目を上げて時計を見た。
短い針が示す夜中の二時。

気づいたらこんな時間、もう寝ようかしらとベッドへ目をやると、そこには先客がいた。
3ヶ月前のこの時間はきっと、一緒にベッドの中だっただろう。

安心しきった様子でスヤスヤ寝息を立てるシアンの、ゆるくウェーブの掛かった前髪を払う。

長いまつげ。通った鼻筋。
厚くて柔らかな唇、手でそっと触れていく。
だらしなく私を抱き続けた腕。
誰を、何人を、抱いてきたのか。
私はどうしてそれを気にしてしまうのか。
マリアはシアンの骨ばった手の甲を撫でる。

私の体も、何人に触れられたかしら。
何人が何度触れたかしら。

甘くて重いチョコレートみたいな夜が、目覚めれば酸っぱくて。
けれどそれはとても楽しかった。
気持ちが良かった。
どこの誰なのかもよく知らない男に体の芯まで知られることが気持ちよかった。

そのどこの誰なのか知らない男が
いつの間にかよく連絡を取り体を重ねる仲になって
関係にセックスフレンドという名前がついて
甘いチョコレートのようだった夜はなんだか少しずつほろ苦く、苦くなっていって。

「…」
マリアの思案など知る由もないシアンは、むにゃむにゃと寝返りを打つ。

マリアはシアンの肩に触れた。
硬く、薄く筋肉のついた肩。

他の誰を抱いたの。
何度抱いたの。
私以外を、何度抱いたの。

こんなこと、考えたことなかったのに。

マリアはシアンの肩をぎゅっと抱きしめた。

「あなたは」

夢の中まではきっと聞こえない。

「私のもの」

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