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2015
01.01

2014年が終わる

Category: 未分類
かまぼこはハイボールをぺろりと舐めた。
「いろいろあったな、2014年も」
「そうですね〜」かまぼこの正面で甘いチューハイの缶を傾けながら信濃川が気のない返事をする。
「たとえば、僕は結婚しましたからね」
「ほんとだよな」
しみじみと噛みしめるようにかまぼこは返事をするが、すぐにパッと身を乗り出した。
「そういえば知ってる?土踏まずの店に最近可愛い女の子が来るって」
「冬なのに?熱海ちゃんじゃなくて?」
「なんか、熱海の友達らしいんだけどさ。営業してない海の家が落ち着くらしくて居座ってるんだとさ」
「家出じゃないですか!」
「いや、夜はちゃんと帰るらしい。暇な時入り浸ってるみたいで…そんでさ!修羅場なわけよ」
「なにがですか…えっ、土踏まずさんまさかその子に手を出したんじゃないですよね」
「ちげーよ逆だよ、その熱海の友達ってのが土踏まずにお熱でさ?まあ土踏まずも女好きが高じて優しいしモテるからな…それで熱海がチョーキレてんだよ…」
「それは…修羅場ですね…」
冬の海の家も、かまぼこや信濃川の思いもしないところに悩みを抱えているようだ。
机の真ん中に鎮座するつまみに手を伸ばし、チーズ鱈をつまんで口に放り込む信濃川。
「あ、そういえば僕もありますよ、ネタ」
「オナネタ?どうせ巨乳のお姉さんだろ」
「違いますよ…この間四万十さんが落し物の手帳を拾ったらしいんです。末尾に連絡先が書いてあったから連絡して、当日のうちに持ち主に渡せることになったんですけどね」
「うん」
「その方がなんと新海財閥の会長だったらしくて」
「うん!?え、すげえじゃん!!」
「まぁ、別に特になにもなかったです。お財布の中の1割をもらって、2人で焼肉行きました。それだけです。醬々亭行きました」
「それめっちゃ高いとこじゃん…呼べよ…」
「そこで結婚の話とか少ししました」
「他人の金で食う時にそんな話するなよ…」
信濃川はしれっとよそ見をして、柿の種をつまんだ。
前の住民が変えたきり、自分たちでは変えたことのない電球がチリチリと点滅し、またすぐに調子を戻した。
「来年はどんな年になりますかね」
「2015年か…」
かまぼこが指で氷を回す。
「近未来だなぁ2015年」
「いつも通りがきっと幸せです。いつも通りを作るのが、僕たち男の役目なんです。きっと」
「おお、…かっこいいじゃん、結婚したから?」
「そうですかね…でも、覚悟はできましたから」
「そっか」
「…あ」
遠くからかすかに鐘の音が聞こえた。
信濃川が手を伸ばし、からりと窓を開ける。
冷たい空気が流れ込み、ほろ酔いの2人の火照った頬を撫でた。
窓際で吐く息が白い。
「2015年です」
眼下には真っ黒な海。
街にはまだちらほらと灯りが残り、山の天辺は赤く光っていた。
空も澄んでいる。
「野郎と年越しかー色気ねぇなー」
さっきより大きく鐘の音が聞こえた。

見上げる空には星が輝く。

かんきつと四万十は今頃どうしているだろう。
2人でお喋りたくさんするのと意気込んで四万十の部屋にこもっているらしいが、部屋の方を見てみれば灯りはついていないようだ。
「俺たちも寝るかぁー」くぁーと伸びをして、かまぼこはそのまま仰向けに寝転がった。
初詣に行く予定もない。
信濃川も窓をパタリと閉めると、そのまま畳に倒れこんだ。
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